「浮世絵現代」展で紹介されている作品の制作を手がけたアダチ版画研究所の摺師が、伝統的な摺の技術を実際に披露します。世界的にも知られる浮世絵の名作、葛飾北斎「神奈川沖浪裏」の制作工程を、白い和紙から完成まで通してご覧いただけます。 受け継がれる伝統木版技術の魅力を、ぜひ間近でご体感ください。
日時:2025年5月24日(土) 【1回目】10:30〜12:00 >> ** Instalive **
【2回目】14:00~15:30
会場:東京国立博物館 平成館1階 ラウンジ
実演題材:葛飾北斎「神奈川沖浪裏」
摺師:長沼翔太(アダチ版画研究所)
解説:中山浩子(公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団 理事長)
参加方法:当日、東京国立博物館入館券をお持ちの方はご自由にご覧いただけます。
*観覧無料、前方座席は先着順、出入り自由。
「浮世絵現代」展・第4章展示作品の核となる「現代の浮世絵・国際創造プロジェクト」を追ったテレビ番組が放送されます。
◆ NHKBS「浮世絵れぼりゅーしょん! 令和の写楽を探せ」
2025年5月10日(土) 18:00-19:29
ナレーター:春風亭一之輔、橋本愛
江戸時代の浮世絵技術を受け継ぐ工房が、ビッグプロジェクトを仕掛けた。国内外の著名なアーティストたちが新作で浮世絵に挑戦。 はたして、令和の蔦重のもとから令和の写楽は生み出されるのか?(番組ウェブサイトより)
日本の木版画の技術は、江戸時代の文化の中で独自に発展し、浮世絵という力強く華やかな芸術を生み出しました。「浮世」という言葉には「当世風の」という意味があり、浮世絵版画はまさにその時代と社会を色鮮やかに映し出すメディアでした。
写楽や歌麿、北斎の浮世絵を生み出したこの高度な木版画の技術は、途切れることなく、現代まで職人たちに受け継がれています。山桜の版木を使い、和紙に墨と水性の絵具で摺り上げることで生まれるシャープな線や軽やかな色彩は、唯一無二のものです。伝統の技術は、同時代の人々の心をとらえる作品を生み出し続けることで、さらに次代へと継承されていきます。
この展覧会は、伝統木版画の表現に魅了された様々なジャンルのアーティスト、デザイナー、クリエーターたちが、現代の絵師となり、アダチ版画研究所の彫師・摺師たちと協働して制作した「現代」の「浮世絵」をご覧いただくものです。
総勢85名のアーティストたちの木版画を通じて、現代から未来につづく伝統の可能性をご鑑賞ください。
本展第4章(2階展示室)の展示作品は、主にアダチ伝統木版画技術保存財団の「現代の浮世絵・国際創造プロジェクト」によって制作された木版画です。
同プロジェクトは、世界で活躍するアーティストの方々に伝統木版画技術を使った新しい芸術表現に挑戦していただき、伝統木版画技術のもつ唯一無二の魅力と現代における可能性を、展覧会等を通じて広く世界に伝えることを目的としています。